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【働き方改革から100日】52.9%が「宿日直=寝当直ではなかった」医師バイトの実情と注意点

52.9%が「宿日直=寝当直ではなかった」働き方改革による医師バイトの変化と注意点

2024年4月から始まった「医師の働き方改革」以降、アルバイトを含む医師の労働時間がより厳格に管理されるようになりました。

そのためアルバイトがしづらくなる、またはできなくなる医師が増えると予測されていましたが、実際に影響を受けた医師はどのくらいいるのでしょうか。

「医師の働き方改革」施行から約100日となる7月上旬、Dr.アルなびはアンケートを実施し、442名の医師から回答を得ました。

本記事では、上記の調査結果をもとに「医師の働き方改革」適用後の医師のアルバイト事情や年収・ニーズの変化、求人検討時の注意点をお伝えします。

「医師の働き方改革」で、医師アルバイト時間はどう変わったか

7割以上の医師のアルバイト時間は「4月以前と変化なし」

アルバイトに費やす時間について7割以上の医師が「以前と変わらない」と回答しており、大半の医師のアルバイト時間には影響がないことがわかります。

Q:2024年4月以前と比較して、ご自身のアルバイト時間に変化はありましたか?
※「以前も現在もアルバイトをしていない」を除く回答

Q:2024年4月以前と比較して、ご自身のアルバイト時間に変化はありましたか?

アルバイト時間が減った最大の理由は「時間外労働の上限規制」

一方で「以前よりアルバイト時間が減った」と回答した医師も全体の1割程度おり、最も多かった理由は「時間外労働の上限規制の影響で、アルバイトできる時間が短くなった」でした。

Q:アルバイト時間が減った要因として、当てはまるものを教えてください。(複数選択可)

一方で、「以前よりアルバイト時間が減った」と回答した医師も全体の1割程度います。	
その理由として最も多かったのは「時間外労働の上限規制の影響で、アルバイトできる時間が短くなった」でした。

Q:アルバイト時間が減った要因として、当てはまるものを教えてください。(複数選択可)

常勤先で長時間働いている医師は、アルバイト可能な時間が短くなる

これまでの医療提供体制を維持しつつ、「医師の働き方改革」の主な目的である医師の長時間労働を是正するために、政府では医療機関や勤務医の特性に応じたA~Cという3つの水準を設けました。

この水準ごとに時間外労働の上限時間が設定されており、医師はその上限時間内に収まるように勤務を行うことが求められています。

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この規制では常勤先だけでなくアルバイト先における労働時間も通算されるため、常勤先における労働時間が長時間である医師の場合は、アルバイト可能な時間が相対的に短くなります。

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「医師の働き方改革」で、医師の収入はどう変わったか

「医師の働き方改革」で、医師の収入はどう変わったか

続いて、「医師の働き方改革」以降の年収の変化について聞きました。

81.0%の医師は、医師の働き方改革による「年収の変化はない」

年収の変化では、8割を超える医師が以前と「変わらない」と回答しています。

Q:「医師の働き方改革」の影響で、収入(常勤+非常勤)に変化はありましたか?

Q:「医師の働き方改革」の影響で、収入(常勤+非常勤)に変化はありましたか?

医師の働き方改革で「年収が減った」医師は、全体の15.6%

一方で、1割強の医師は「医師の働き方改革」以前より年収が減ったと回答しています。

具体的な減少額を尋ねた質問では、ひと月あたり「10万円以下」(39.1%)が最も多くなり、次いで「10万円~30万円未満」という回答が続きました。

Q:月あたりの額面で、どのくらい収入が減りましたか?

Q:月あたりの額面で、どのくらい収入が減りましたか?

収入が減った医師の59.4%は「非常勤先からの収入減が要因」

収入減少の要因について尋ねた質問では、「非常勤先からの収入が減ったため」(52.2%)が最多でした。

「(常勤先と非常勤先)両方からの収入が減ったため」(7.2%)と合わせると、全体の約6割にのぼる医師が非常勤先からの収入減が要因で収入が減ったと考えていることがわかります。

Q:収入が減った要因は、常勤先と非常勤先どちらからの収入減によるものですか?

収入減少の要因について尋ねた質問では、「非常勤先からの収入が減ったため」(52.2%)が最多でした。
「(常勤先と非常勤先)両方からの収入が減ったため」(7.2%)と合わせると、全体の約6割にのぼる医師が非常勤先からの収入減が要因で収入が減ったと考えていることがわかります。

Q:収入が減った要因は、常勤先と非常勤先どちらからの収入減によるものですか?

収入を増やす・維持するために「アルバイトを増やす」医師が多い

収入を維持または増やす対策として最も多くの医師があげたのは、「アルバイトする時間を増やす」(回答数:153)です。

Q:収入を増やすまたは維持するために、実施していることはありますか?

収入を維持または増やす対策として最も多くの医師があげたのは「アルバイトする時間を増やす」(回答数:153)です。
ただし、医師に対する時間外労働の上限規制が適用された状況下では、むやみにアルバイトの時間を増やすことができない医師も多いでしょう。
そのような医師でも働きやすいアルバイトとして需要が高いのが、「宿日直許可」のあるアルバイトです。

Q:収入を増やすまたは維持するために、実施していることはありますか?

ただし、医師に対する時間外労働の上限規制が適用された状況下では、むやみにアルバイトの時間を増やすことができない医師も多いでしょう。

そのような医師でも働きやすいアルバイトとして需要が高いのが、「宿日直許可」のあるアルバイトです。

宿日直許可のある当直バイトは、労働時間にカウントされない

労働基準監督署が定める基準を満たし「宿日直許可」を受ける勤務は、時間外労働の上限規制の適用が除外され、労働時間としてみなされません。

そのため、常勤先が忙しくアルバイト可能な時間が短い医師を中心に「宿日直許可を取得済みの求人」という条件で求人を探す医師も少なくありません。

今回の調査でも、およそ3人に1人にあたる31.2%の医師が「宿日直許可のあるアルバイトをした経験がある」と答えています。

Q:宿日直許可を取得済みのアルバイトをしたことがありますか?

Q:宿日直許可を取得済みのアルバイトをしたことがありますか?

▼医師からのコメント

宿日直の許可があり、十分な休息を確保できる求人があれば、積極的にアルバイトしたいとは思っています。(40代/糖尿病内科/勤務医(民間病院))

「医師の働き方改革」以降のアルバイト探しにおける注意点と対策

「医師の働き方改革」以降のアルバイト探しにおける注意点と対策

最後に、医師が今後アルバイトを検討する際に気を付けたい2つの注意点と対処法をご紹介します。

注意点①宿日直許可バイトの業務内容と量

一つめの注意点は、宿日直許可を得たアルバイト求人の仕事内容と業務量です。

宿日直許可を取得した勤務は、一般的に「寝当直」と表現されるような十分な休息や睡眠を確保できる勤務のことをいいますが、実際には「日勤並みの対応が頻回に発生した」という経験がある医師も少なくないようです。

今回の調査でも、20.3%の医師が「宿日直許可のある勤務で、十分な休息や睡眠を確保できなかった」と回答しています。

Q:宿日直許可を取得した勤務では、十分な睡眠や休息を確保することができましたか?

Q:そのご勤務では、十分な睡眠や休息を確保することができましたか?

「宿日直許可のあるバイト=寝当直」ではないケースがある

さらに当日発生した業務内容や負担について尋ねたところ、「ほぼ寝当直だった」が半数に満たない一方で、「軽度の業務が短時間発生した」は4割強、「日勤帯並みの業務が発生した」も1割近くを占めました。

Q:業務内容や負担について、最も近いものを教えてください。

Q:業務内容や負担について、最も近いものを教えてください。

宿日直許可のあるアルバイトで発生した業務に関する医師のコメントは、以下の通りです。

・夜間の受診対応。(60代/血液内科/勤務医(民間病院))

救急車対応を2台ほど行った。(30代/麻酔科/勤務医(国公立病院))

・夜間に、頻回の救急対応が発生。給与が良くフリーランスなので続けられるが、常勤先のある医師の場合にはきついと思う。(30代/循環器内科/勤務医(フリーランス))

31.1%の医師は「事前情報と実際の勤務で相違があった」

なお3割以上の医師は、事前に認識していた業務内容と当日の勤務で「相違があった」と答えています(「大いに相違があった」「やや相違があった」を合計)。

Q:当日の業務内容・負担と、事前に認識していた情報とのあいだに相違はありましたか?

Q:当日の業務内容・負担と、事前に認識していた情報とのあいだに相違はありましたか?

▼医師からのコメント

・求人に当たりはずれがある。(50代/消化器外科/勤務医(民間病院))

病院によって、寝当直の定義が違うと感じる。救急車を4~5台受けても、「寝当直」と表現する施設もある。(30代/麻酔科/勤務医(国公立病院))

宿日直許可のあるアルバイトと聞くと、いわゆる「寝当直」のようなゆったりした勤務を想像しがちですが、実際は多忙な勤務となるケースも存在している点には注意が必要です。

対策①仕事内容や業務量は、事前に確認を

事前情報と勤務当日のギャップを回避するためには、確認すべきポイントを求人に応募する前にしっかりとチェックすることが有効な手段となります。

具体的には以下のような内容を確認しておくと、安心して働けるでしょう。

・救急外来対応やかかりつけ患者の時間外受診の有無

・定期回診の有無

・急変時対応の内容と範囲(死亡確認の頻度や死亡診断書の作成について等)

・オンコール担当医師の有無

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勤務医師の声を反映した求人票で、情報のギャップを回避

なお「Dr.アルなび」では、実際に勤務した医師に勤務後アンケートへのご協力をお願いしています。

業務内容や対応件数について事前情報との相違はなかったか、勤務当日に何か困ったことはなかったか等の率直な声を求人票に反映し、可能な限り実態に即した求人情報を先生方へご提供できるよう努めています。

注意点②アルバイト求人の競争率が激化

2つめの注意点は、アルバイトを希望する医師の多さから求人の競争率が上がっていることです。

今回のアンケート実施時点では、医師に対する時間外労働の上限規制が適用された後もアルバイト希望の医師数は大きく減ることはなく、積極的に求人を探す医師が多くいる状況が明らかになりました。

以下のグラフが示す通り「今後アルバイトはしない予定」と回答した医師は全体の1割以下であり、半数を超える医師は「条件に合うものがあれば、積極的に働きたい」と答えています。

Q:今後のアルバイトに対するお考えや状況に最も近いものを教えてください。

Q:今後のアルバイトに対するお考えや状況に最も近いものを教えてください。

▼医師からのコメント

収入を維持するため。(60代/消化器外科/勤務医(民間病院))

減った収入を補うため。子どもの教育費に加え、アルバイトをしないと税金が払えない。(60代/血液内科/勤務医(民間病院))

・労働意欲があるうちであれば、自由時間に働く選択肢は残しておきたい。常勤先では経験しないような症例の経験ができるというメリットもある。(40代/泌尿器科/勤務医(民間病院))

・アルバイトは気分転換であり、刺激になるため。(60代/一般内科/勤務医(民間病院))

また、医師から寄せられたコメントでは「求人の競争率が以前より激しくなった」という声も複数寄せられています。

▼医師からのコメント

応募しても、採用されないことが多くなった。(50代/整形外科/勤務医(民間病院))

・メールを受け取ってすぐに応募しても、すでに応募医師がいることが多い。(50代/消化器外科/勤務医(民間病院))

対策②求人情報をスピーディーに入手する

このように求人競争率が高い状況下であっても好条件のアルバイトを逃さないためには、タイムリーな情報を得ることが重要です。

しかし、多忙な勤務の合間等で求人サイトを頻回にチェックしたり、くまなく新着情報を確認したりするのは難しいと感じる方が大半なのではないでしょうか。

そのようなときには、医師専門のエージェントを利用するのがオススメです。

「Dr.アルなび」では、ご希望条件に合う募集が開始されたタイミングで、スピーディーに求人のご案内をお届けするサービスを行っています。

今回の調査結果からは、「医師の働き方改革」適用後もアルバイトに前向きな医師が大半を占め、今後もますます求人競争率は高まっていく可能性があることがわかりました。

一方で応募までのスピードだけではなく、仕事内容や業務量を事前に確認し不明点を残さないことも重要なポイントになります。

「Dr.アルなび」には、お一人おひとりのご希望やご状況に寄り添い、最適な求人情報をご案内する専任のコンサルタントが全国に在籍しています。
今後のアルバイトをご検討中の先生は、まずはご希望条件ご登録から始めてみませんか。

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◆調査概要「施行から約100日経過 医師の働き方改革に関するアンケート」

調査日:2024年6月25日~7月2日

対象:Dr.転職なび・Dr.アルなびに登録する会員医師

調査方法:webアンケート

有効回答数:442

Dr.アルなび編集部

ライター

Dr.アルなび編集部

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