定期アルバイトの求人票で見かけることも多い「トライアル勤務(お試し勤務)」という言葉。
トライアル勤務は、正式採用前に実際に勤務し、入職前に業務や環境を確認する選考方法です。給与が支給されることが多く、ミスマッチを防ぐメリットがあります。特に当直や美容系クリニックで導入されます。重要なのは事前情報との相違を確認し、スタッフとの雰囲気も見ることです。積極的な姿勢や丁寧な対応が好印象を与え、逆に消極的な態度やコミュニケーション不足は不採用の原因となります。
「Dr.アルなび」で非常勤案件を担当するコンサルタント・佐々木に、定期アルバイトの選考における「トライアル勤務」について詳しく聞きました。
トライアル勤務とは?
編集部:そもそも、トライアル勤務とはどのようなものなのでしょうか?
佐々木:トライアル勤務とは、「正式採用となる前に 実際に勤務をする」という選考方法のことです。
多くの場合は、経歴書などの応募書類を提出する書類選考を通過した後の二次選考として設けられています。
当直・日当直バイトの募集では、トライアル勤務を実施するケースが多い
編集部:以前、書類選考の後に行う「面接」についてお聞きしました。
その際、応募案件が「日勤」の場合は 二次選考で面接を行うケースが多いと伺いましたが、トライアル勤務を行うのはどのような時なのでしょうか?
佐々木:当直や日当直の定期アルバイト募集では、トライアル勤務が二次選考となるケースが大半です。
あとは美容系クリニックでの日勤募集の場合にも、トライアル勤務が実施されることがあります。
トライアル勤務では、給与も支給される
なお、トライアル勤務は基本的に「スポット勤務での労働」という扱いとなり、給与が支給されます。
ただし美容系クリニックでのトライアル勤務は「事前研修」という扱いで無給になるケースもあるので、求人票などで事前に確認すると良いでしょう。
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トライアル勤務をするメリットは、入職前にミスマッチを回避できること
編集部:トライアル勤務だからこそ得られるメリットがあれば、教えていただけますか?
佐々木:トライアルでご勤務いただく最大のメリットは、入職前にミスマッチを回避できることだと思います。
実際に勤務してみると、
「ゆったりした勤務という事前情報だったが、思っていたよりも忙しかった」
「高齢者がメインの外来と聞いていたけれど、実際は小児の診察も多かった」
など、求人票の情報と相違があったというケースも実は少なくありません。
業務の内容やボリュームを確認できること、加えて病院全体やスタッフの雰囲気なども体感できることで、入職後のミスマッチや後悔を未然に防止できます。
トライアル勤務は、ご自身が無理なく、安心して勤務できる環境があるかを見極めていただくための良い機会です。
ぜひ前向きに捉えて、ご勤務に臨んでいただきたいと思います。
トライアル勤務の流れと、当日チェックすべきポイント
トライアル勤務当日の流れ
編集部:続いて、トライアル勤務当日の流れを教えて頂けますか?
佐々木:詳しくは医療機関それぞれで異なると思いますので、一般的な流れをご参考までにご案内しますね。
当直や日当直の場合は、医療機関に到着した後に事務長や採用担当者から更衣室の場所や使用方法、電子カルテの操作方法などのご案内があります。
さらに常勤医師からの申し送りを受けていただいた後に、トライアル勤務が始まるという流れになります。
美容系クリニックでのトライアル勤務は、「事前研修」というかたちで、使用する薬剤やマニュアルについてレクチャーを受けることが多いようです。
所要時間の目安としては、2時間から半日程度となっています。
なお、二次選考が面接の場合は私たちコンサルタントが同席しますが、トライアル勤務の場合 コンサルタントの同席は基本的にありません。
トライアル勤務時に確認しておきたいポイントは?
編集部:トライアル勤務の当日、現場でチェックしておくと良いポイントはありますか?
佐々木:まずは勤務内容について、事前情報と相違がないかチェックしてみるのがお勧めです。
具体的には呼び出しの頻度や、ウォークイン・救急車台数など救急対応の件数などです。
また、当日実施可能な検査や連携している医療機関、相談できる常勤医師の有無も確認できれば安心ですね。
そして、一緒に勤務する看護師やスタッフの雰囲気、当直室の環境なども、自分にとって働きやすい環境かどうかを見極めるための重要な要素となると思います。
トライアル勤務を成功させるためのポイントとNGな行動は?
編集部:最後に、トライアル勤務で「医療機関に好印象を与える医師」の特徴、反対に「お見送り(不採用)になってしまう医師の特徴」があれば教えていただけますか?
トライアル勤務時、医療機関に好印象を与える医師の特徴は?
佐々木:医療機関から「ぜひうちの病院にご入職いただきたい!」とポジティブな声をお寄せいただくのは、丁寧な対応をしてくださる医師です。
受診する患者様はもちろん、一緒に勤務する看護師やまわりのスタッフ、救急隊の方などに対して、真摯に対応してくださる姿勢に好印象を抱く医療機関は多いですね。
加えて、積極的に診療に向き合ってくださる医師も歓迎される傾向があります。
トライアル勤務で避けたい…NGな行為は?
佐々木:反対に 診療に対して消極的な姿勢の医師は、医療機関側から敬遠されてしまい、採用に至らないケースが多くなってしまいます。
救急患者様の受け入れを断ってしまう、当直室に籠り 呼び出しに応じてくださらない等、医療機関が求める医師像とかけ離れた対応をしてしまうと、先方の心証は良くないものになってしまいかねません。
また一緒に働く看護師などスタッフとのコミュニケーションが円滑にいかないといった場合にも、お見送り(不採用)となってしまうケースが多くなります。
トライアル勤務は、双方が 仕事の進め方やお互いの人柄、相性を、医師と医療機関の双方が知るための機会です。
実際に入職した後も良好な信頼関係を築いていくためにも、前向きな姿勢や配慮は重要になるでしょう。
以上、定期アルバイトの「トライアル勤務」について、詳しくご紹介しました。
アルバイトに関するお困りごとや疑問がある場合は、医師専門のエージェント「Dr.アルなび」のコンサルタントまで、お気軽にお問い合わせください。
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