通常の診療時間外における夜間外来や救急対応、入院患者の急変対応などを行うことを、当直といいます。

この当直業務は勤務医の負担となっているケースが大半で、常勤医師の負担軽減のために当直アルバイトの募集を行う医療機関は多数存在しています。

なかでも救急対応のない寝当直バイトは、医師に高い人気のあるアルバイトです。

本記事では、医師向けアルバイト情報サイト「Dr.アルなび」に掲載されている募集情報などから、医師の当直アルバイトの給与相場や仕事内容などを調査しました。

病棟管理メインの「寝当直バイト」とは？

当直バイトは、病棟管理が主な業務となる「寝当直バイト」と、救急対応をメインで行う「救急当直バイト」の2つに分類されます。
本章では、「寝当直バイト」の仕事内容や給与相場を詳しく解説します。

寝当直とは、病棟管理を主に行う当直のこと

寝当直とは、病棟管理がメイン業務の当直のことを指します。

療養病院や慢性期病院で募集が出るケースが多く、症状の急な変化など入院患者に何か起こった際の「急変時対応」が主な業務です。

勤務先によっては入院患者のもとに赴いて診察をする回診や定期処方、死亡確認・死亡診断書作成などを依頼されるケースもありますが、基本的に大きな負担となる業務は発生しません。

もし患者に急変が発生した際には「〇〇という薬剤を投与する」といった対応内容が事前に用意されている等、非常勤医師でも働きやすい環境を整えている医療機関もあります。

寝当直の待機時間は、仮眠を取ることもできる

寝当直バイト中の患者対応がない時間、医師は当直室や医局、仮眠室などで待機します。

業務以外の時間の過ごし方については特に決まりはないため、休息や仮眠を取ったり、学会の準備や論文作成、自己研鑽を行ったりすることも可能です。

医療機関によっては、シャワー室やWi-Fiなどのインターネット環境が利用できる場合もあります。

このように寝当直バイトの待機時間では ある程度自由にリラックスして過ごせるものの、いつでも電話に出ることができ、患者対応のできる状態を維持しておく必要はあります。

寝当直バイトの給与相場は、1回30,000円程度

総合病院などの医療機関に勤務する常勤医師が、常勤先で当直を行った場合の当直手当の相場は1回15,000円から20,000円程度と言われます。

一方の寝当直バイトで得られる給与の相場は、1回あたり30,000円程度です（「Dr.アルなび」調べ）。

このように常勤先での当直よりも割高な給与が得られること、働きながら自分の時間も確保できること等から、寝当直バイトは様々な医師アルバイトの中でも人気の高い案件となっています。

なお都心部にある医療機関よりも、地方や都心部からのアクセスがあまり良くない医療機関の募集の方が、1回あたりの給与帯が高くなる傾向があります。

「医師の働き方改革」で、寝当直バイトに入る医師のニーズが高まっていく

なお2024年4月に施行開始となる「医師の働き方改革」では、医師の労働時間の上限規制が始まります。

この上限規制ではより厳格に医師の労働時間管理が求められることになり、連続して勤務できる時間が制限されたり、勤務間インターバルを設けたりする必要があります。

そのため、これまで寝当直に入っていた常勤医師が2024年4月以降は勤務に入れなくなる、というケースもあるでしょう。

そのため、寝当直業務を非常勤医師に委託する医療機関は増える、つまり寝当直バイトの求人数はますます増加すると推測されています。

救急対応を行う「救急当直バイト」とは？

続いて、救急対応をメインで担当する「救急当直バイト」の仕事内容や給与相場を解説します。

救急当直は、救急外来を受診する患者対応がメイン業務

寝当直とは反対に、救急外来にウォークインで受診する患者や救急車で搬送されてくる患者の対応を行う当直を、救急当直といいます。

アルバイトの募集は急性期病院や二次救急対応の病院で出る場合が多く、幅広い症例を経験しスキルを磨きたい若手医師などを中心に人気の案件となっています。

救急当直バイトの給与相場は、1回60,000円～80,000円程度

医療機関によってはまとまった休息を取れないこともある救急当直バイトで得られる1回あたりの給与帯は、60,000円から80,000円ほどが相場です（「Dr.アルなび」調べ）。

給与は対応する件数によって変動し、固定給とは別に「救急車1台あたり〇円追加」「入院受け入れ1件あたり〇円」といったインセンティブ（歩合給）を設けている医療機関もあります。

また、脳神経外科や小児科、整形外科など特定の診療科の医師に限定して募集する専門性の高い救急当直では、給与帯がさらに高まる傾向があります。（※文中の診療科名を押下すると、求人一覧に移動します）

当直バイトで、医師が確認しておきたい！2つの注意点とは

事前に確認しておきたいポイント①当日の医師体制、オンコール体制

病棟管理がメインの寝当直バイトであっても、救急患者の受け入れ相談や急変時対応が必要になる可能性もあります。

当日は電話で相談できる常勤医がいるか等、緊急時の対応方法聞いておくと、当日も安心して勤務できます。

同じ当直帯で「内科領域を担当する当直医が1名、外科領域を担当する当直医が1名」等、複数の医師で勤務する場合もあるので、当日の医師体制も確認しておきましょう。

また、アルバイトで勤務する場合は、勤務先の周辺にどのような医療機関があるか把握していないケースが大半です。

自身で対応困難な症例を搬送できる連携先となる医療機関についても、勤務前に確認しておくと良いでしょう。

事前に確認しておきたいポイント②当日持参するものや集合場所・時間

初めて勤務する医療機関の場合は、当日は何を持参すべきか事前に聞いておきましょう。

勤務中に着用する白衣やスクラブ、聴診器等、貸し出してもらえるものはあるか。

医療機関によっては、処方箋や死亡診断書の作成時に必要となる印鑑の持参を求められるケースもあるため要確認です。

また当直バイトでは、勤務が始まるまでの時間で 前の担当医からの引継ぎや電子カルテの操作案内などを行うケースもあります。

当日は何時ごろ、どこに行けば良いのかを前もって把握しておくことで、勤務直前に慌ててしまったり、開始時間に間に合わず遅刻してしまったりする事態を未然に防ぐことができます。

多忙な医師でも好条件の当直バイトが見つかる！２つの方法

最後に、忙しい医師でもしっかりと希望の条件にマッチした募集を見つけるための方法をご紹介します。

好条件の当直バイトを効率的に探す方法①医師アルバイトの求人サイトで探す

当直バイトの募集は、医師向けのアルバイト情報サイトに多数掲載されています。

「気軽に、どのような募集があるのか見てみたい」「常勤先や自宅から近いエリアで、どのくらいの募集が出ているのか知りたい」といった場合には、まずは希望の条件を選択して求人を検索してみるのがオススメです。

当直のアルバイトは、内科・外科での求人が多くなっていますが、整形外科や小児科、脳神経外科といった特定の診療科で募集されている求人も多くあります。

医師のアルバイトを専門としている求人サイトであれば、対応件数の目安や当日の医師体制、業務内容、雇用条件についても詳しく確認できるので、効率的に検討が進みます。

様々な検索条件を試しながら比較検討してみましょう。

好条件の当直バイトを効率的に探す方法②エージェントに求人を紹介してもらう

「仕事が忙しくて、求人サイトでアルバイトを探す時間が取れない…。」
このようなときには、専門のエージェントに依頼するという方法も希望に合ったアルバイト選びの近道になります。

医師向けでアルバイト求人を紹介するサービスは様々なものがありますが、専任のエージェントが在籍しているかといった部分に注目して選んでみるのも良いでしょう。

「Dr.アルなび」には非常勤案件を専任で担当するコンサルタントが在籍していますので、医療機関への確認や条件調整をすべて代行してもらうことができます。

「勤務後は●時までに、常勤先に戻りたい」といった制限がある場合にも、遠慮なく交渉を依頼できるので安心です。

また希望に合う求人だけをピックアップして紹介してくれるので、自身で求人を検索したり、問い合わせをしたりする手間と時間を省ける点も大きなメリットといえるでしょう。

以上、医師の当直アルバイトの給与相場や仕事内容、効率的な求人の探し方についてご紹介しました。

2024年4月施行開始の「医師の働き方改革」に向けて、医師のアルバイト市場にも大きな変化が予測されます。
しっかりと市場動向を捉えながら希望のアルバイトを見つけたい先生は、「Dr.アルなび」をぜひご活用ください。