
アルバイトに応募する際には、履歴書を作成し提出する必要があります。
医療機関の採用担当者に良い印象を与える履歴書を作成して、しっかり選考を通過できるようにアピールしたいところですよね。
しかし初めてアルバイトを検討する専攻医(従来の制度で「後期研修医」と呼ばれていた医師)の場合は、「履歴書って、どのように作成するの?」「どのようなアピールポイントを書いたら良いか分からない…」と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
前編記事に続いて、専攻医をはじめとする若手医師のアルバイト探しを数多くサポートしている「Dr.アルなび」の非常勤担当コンサルタント・西野に、専攻医の先生に知って頂きたい履歴書作成のコツを聞きました。
書き始める前に知っておきたい!医師の履歴書作成における基本ルール
編集部:早速ですが、履歴書作成はどのように進めていけば良いのでしょうか?作成にあたって知っておきたいルールなどがあれば、教えてください。
履歴書作成の基本ルール①相手が「読みやすい」ものにしよう
西野:まずは、受け取り手となる採用担当者の読みやすさに配慮することが大切です。
具体的には、手書きの読み取りにくい文字で作成されたものより、誰にでも読みやすく伝わりやすいパソコンで作成されたものが好まれる傾向があります。
編集部:「手書きの方が、熱意が伝わる!」というわけではないのですね。
西野:採用担当者は、多くの履歴書を確認し、採用可否を判断するという立場にあります。
そのため、解読しづらい手書きのものよりも、スピーディーに情報が確認できるものの方が歓迎されるようです。
また、一度型を作ってしまえば、氏名・住所などの基本項目や職歴・学歴など変更のないものは修正を行う必要がありません。
先生方にとっても、応募書類を作成するための時間を大きく短縮できるので便利だと思います。
もちろん手書きで作成することも問題ありませんが、その場合は 相手が読みやすい丁寧な字で記載しましょう。
もしも書き誤ってしまった場合は、二重線や修正テープなどによる修正はNGとされています。面倒でも、最初から書き直すことをお勧めします。
履歴書作成の基本ルール②必要事項は、「漏れなく」記載しよう
西野:医師アルバイトの選考では、履歴書を介して採用担当者との最初のコンタクトを取ることになります。
そのため、この履歴書が「採用担当者がチェックするポイントをしっかり満たしたもの」である場合の選考は、非常にスムーズに進むように感じますね。
編集部:採用担当者は、具体的にどのようなポイントを見ているのでしょうか?
西野:多くの方は、「学歴・職歴に空白期間が無いか」を細かくチェックされています。
大学の入卒年次から入退職年次まで、必要事項はしっかりと埋まっているか。
もし記載のない部分がある場合には、「この期間は、どのような事をされていたのですか?」と採用担当者からお問い合わせが入るケースも多くありますね。
編集部:そんなに細かい部分までしっかりと確認されているなんて、驚きました!
空白期間を作らないように、きちんと時系列に沿って記載するように心がけると良いでしょうか。
西野:そうですね。
加えて、職歴に補足情報を記載するという方法も、採用担当者に伝わりやすい履歴書を作成するテクニックの一つです。
以下のように 所属されている診療科や職位、主な勤務内容を端的に記載しておくことで、これまでのご経験やスキルをより具体的に伝えることができますよ。
記載例▼
〇〇年4月~〇〇年3月 ●●病院(初期研修医)
400床規模の3次救急病院にて、初期研修に従事。
循環器内科、消化器内科、脳外科、整形外科、小児科、産婦人科など、救急対応が必要とされる科を中心に経験してまいりました。
編集部:なるほど。もし職歴の欄に書ききれない場合には、他の欄を利用しても大丈夫でしょうか?
西野:学歴や職歴の欄に記載しきれない場合には、志望動機の欄等を活用していただければと思います。
また取得している資格や所属する学会も大きなアピールポイントになりますので、これらの情報も漏れなく記載するようにしましょう。
その他、履歴書作成の基本ルールはこちらでチェック
すぐに使える!便利な履歴書フォーマットは?

履歴書の書式は、基本的に問われない
編集部:ちなみに、医師が医療機関に提出する履歴書では、決められたフォーマットはあるのでしょうか?
西野:医師アルバイトの履歴書では、特にフォーマットを指定されないケースが大半です。
市販されている履歴書を使用しても、もちろん問題ありません。
ご参考までに、厚生労働省が推奨するフォーマットを以下よりご紹介します。
◆厚生労働省履歴書様式例
※文字をクリックすると、フォーマットをダウンロードしていただけます。
パソコン作成向け:Excel(A3)
パソコン作成向け:Excel(A4)
手書き向け:PDF(A3)
手書き向け:PDF(A4)
「Dr.アルなび」なら、自動で履歴書が完成!
西野:なお「Dr. アルなび」には、初回登録時に経歴情報の入力をするだけで、自動的に経歴書が作成される機能があります。
毎回の書類作成が不要なので、応募したい案件を見つけたら、ほんの数クリックで求人への応募が完了できますよ!
また、アルバイトの勤務時に提出を求められる「医師免許証」や「保険医登録票」の写しも、アップロードしておくだけ。
ご勤務ごとに書類を準備して、当日持参する手間を省くこともできます。
編集部:応募書類準備の負担が大きく軽減できるのは、お忙しい先生方にとって嬉しいポイントですね。
この機能を活用すれば、「応募書類を準備している間に、募集が無くなってしまった…」という心配も少なくなりそうです!

ポイントはこの2つ!専攻医が知っておきたい履歴書作成の秘訣

前編記事でもお伝えしたように、専攻医のアルバイト探しでは「応募しているのに、なかなか勤務が決まらない」という時期が発生してしまいます。
しかし、このような時期は少しでも早く乗り越えて、希望のアルバイトでどんどん勤務を決めていきたいですよね。
そこで最後に、専攻医の先生の「選考通過率をアップする履歴書作成の秘訣」について聞きました。
専攻医の書類通過率を上げるポイント①勤務歴をアピールする
西野:選考通過率に最も大きく影響するのは、「過去の勤務歴」の有無です。
同一医療機関での勤務歴がある場合は、選考において非常に良い効果がありますので、必ず記載するようにしましょう。
また同じ法人内で勤務歴がある場合も、ぜひ積極的にお知らせいただきたいですね。
例)〇年〇月に、貴院の当直アルバイトで勤務をさせていただきました。
同一医療機関や法人における勤務歴がない場合にも、「他の医療機関で、似た内容のアルバイト経験がある」というケースもありますよね。
このような場合にも、コメント欄や志望動機欄などに記載するのがオススメです。
例)都内クリニックにて、初診含む内科外来(週1回、半日)を担当していました。
さらに美容系のアルバイトや訪問診療など、ご専門科目以外の科目のアルバイト募集に応募するケースもあるかと思います。
このような場合は「非常勤での勤務有無」を記載すると、応募背景が採用担当者に伝わりやすくなるでしょう。
例)3か月前より、週1回の頻度で訪問診療のアルバイトをしています。
編集部:過去の経験をアピールすることで、採用担当者へ安心感を与えることができるのですね。
その他には、どのようなアピールポイントがありますか?
専攻医の書類通過率を上げるポイント②対応可能な手技をしっかり記載する
西野:ご対応可能な手技に関する情報も、採用担当者への大きな訴求ポイントになります。
編集部:具体的には、どのような手技を求められるケースが多いでしょうか?
西野:一般的には、「当直のアルバイト募集」では縫合(ナート)や気管挿管、「訪問診療のアルバイト募集」ではバルーン交換や気管カニューレの交換(気切交換)を求められるケースが多いですね。
その募集で対応が求められる手技は各求人票に記載されていますので、応募を検討する前に詳しくチェックしてみてください。
なお手技についてはその対応可否だけでなく、経験してきた対応数の目安も記載できると、採用担当者により伝わりやすい情報となるのでオススメです。
例)
・救急外来での縫合を、これまで100例ほど経験しています。
・常勤先の当直では、救急車7-8台(外傷を含む)、walk-in 10人程度を診ており、初期蘇生は50件程度、挿管は150例ほど経験しています
以上、専攻医の先生方に知って頂きたい履歴書作成のコツをご紹介しました。
その他履歴書など応募書類についてご不安な点がある先生は、「Dr.アルなび」のコンサルタントまでお気軽にご質問ください。
採用担当者に響くアピールポイントの整理や効果的な表現方法のアドバイスなど、各種サポートも承ります!

▼合わせて読みたい!専攻医向けの関連記事