医師の働き方も多様化する昨今、常勤先となる医療機関を持たず「フリーランス」として働く医師も少なくありません。
フリーランス医師の年収は、常勤医師より約500万円高く、試算によると週5日・8時間勤務で年間約1,920万円になります。実際の調査では、年収1,000万円未満が29.3%、1,000~1,800万円未満が36%、1,800万円以上が28%でした。85.4%の医師が年収に満足しており、多くの医師が複数の施設で勤務しています。また、92.7%の医師がエージェントを利用して求人を探しています。
本記事では「Dr.アルなび」の会員医師に実施したアンケート結果の中から、フリーランス医師に関するデータをご紹介。
普段あまり知る機会の少ない、フリーランス医師の年収事情について詳しく解説します。
フリーランス医師の年間収入額は、どのくらい?
フリーランス医師の年収は、常勤医師よりも500万円高くなる?
厚生労働省が公表している「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、企業規模10人以上のデータからみた勤務医の平均年収は14,288,900円です(※)。
(※)平均年齢44.1歳、平均勤続年数6.2年。
「きまって支給する現金給与額」×12か月分に、「年間賞与その他と区別給与額」を合計して算出。
一方のフリーランス医師が週5日、8時間勤務で働いた場合の年収を算出してみます。
例)
時給10,000円×8時間×週5日=400,000円【1週あたりの収入】
400,000円×4週=1,600,000円【1か月あたりの収入】
1,600,000円×12か月=19,200,000円【1年あたりの収入(年収)】
上記のように試算した場合 フリーランス医師の年収は、常勤医師の年収よりおよそ500万円高くなることになります。
ただし実際には、コンスタントに週5日×8時間の非常勤勤務に入ることが難しかったり、常勤医師にも非常勤先があり副収入を得ているケースもあったりといった可能性も考えられます。
【調査】実際に、フリーランス医師が得ている年間の収入額は?
それでは、実際にフリーランスとして働く医師の年収はどのくらいなのでしょうか。
「Dr.アルなび」が現役のフリーランス医師に調査(※1)した年間収入額は、以下の通りです。
上記のグラフのように年収「1,000万円以上 1,200万円未満」(14.7%)の医師が最も多く、次いで年収「600万円~800万円未満」「800~1,000万円未満」の医師(いずれも10.7%)が多くなりました。
全体的に見てみると、年収1,000万円未満が29.3%、年収1,000~1,800万円未満が36%、年収1,800万円以上が28%となっています。
フリーランス医師の85.4%が、現在の年収に満足している
なお現在の年収への満足度を尋ねた質問では、「まあ満足している」(66.7%)という回答が最多となりました。
「かなり満足している」(18.7%)と合わせると、フリーランスで働く医師の85.4%は、今の年収に満足しているということになります。
年収帯別にみる、フリーランスの医師の働き方
年収1,000万円未満の医師は、勤務時間を「セーブ」して働いている
年収1,000万円未満のフリーランス医師の働き方としては、以下のようなパターンが考えられます。
例)9~13時の日勤で、週5回働いた場合の想定年収
時給10,000円×4時間×週5回=200,000円【1週あたりの収入】
200,000円×4週間=800,000円【1か月あたりの収入】
800,000円×12か月=9600,000円【1年あたりの年収(年収)】
上記のような働き方の場合は、働く時間を午前中のみの短時間にセーブし、ご家庭等プライベートの事情を優先しながら働いている状況が推測されます。
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なお非常勤として働いている施設数を尋ねた質問では「2~3施設」が半数占めて最も多く、「1施設のみ」「5施設以上」が2割弱となっています。
年収1,000~1,800万円の医師の5割弱は「5施設以上を掛け持ち」して働いている
最も多い割合を占めた年収1,000~1,800万円を得ている医師の働き方としては、以下のようなパターンが考えられます。
例)9~17時の終日勤務で週3回、ゆったりめの当直勤務で週2回働いた場合の想定年収
日勤:時給10,000円×8時間×週3回=240,000円
当直:1回30,000円×週2回=60,000円
240,000円+60,000円=300,000円【1週あたりの収入】
300,000円×4週間=1200,000円【1か月あたりの収入】
1200,000円×12か月=1,440,000円【1年あたりの年収(年収)】
週5日程度働くケースが多い常勤医師と比べると勤務日数は少ないものの、しっかりと収入を得られる働き方といえます。
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なお勤務している施設数では「5施設以上」が最多となり、全体の半数近くを占めています。
この結果からは、年収1,000万円~1,800万円未満を得ている医師は、いくつもの施設を掛け持ちで働いている状況が伺われます。
年収1,800万円以上のフリーランス医師の半数以上は「2~3施設」で働いている
本調査では、常勤医師の求人において高額年収帯といわれる「1,800万円」以上の年収を得ているフリーランス医師が全体の28%に上りました。
多くの医師アルバイト募集では給与設定が割高となっていることもあり、常勤先から得られる収入に匹敵するくらいの年収を得ることも十分可能となっているようです。
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勤務している施設数で最も多くなったのは、「2~3施設」(52%)でした。
一方で「5施設以上」(28%)が、年収1,000万円~1,800万円未満の医師と比べて約20%少なくなっています。
これらの結果からは、「A病院で週3日の終日勤務+B病院で週2回の当直勤務」といった形で、2~3施設での定期勤務を組み合わせてじっくり腰を据えた働き方がイメージされます。
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フリーランス医師の92.7%が実践している、求人の探し方は?
最後に、多くのフリーランス医師が実践しているアルバイトの探し方について解説します。
フリーランス医師の92.7%は、エージェント経由で勤務先を探している
「Dr.アルなび」が実施した調査(※2)でフリーランス医師に求人の探し方を尋ねたところ、最も多く挙げられたのは「医師向けの紹介会社・求人サイト」(回答数:51)を利用するという方法でした。
医師向けの紹介会社やエージェントを利用するという方法は、フリーランス医師が勤務先を探す手段のなかでも中心的なものとなっているようです。
好条件の募集を狙うなら、「応募までのスピード」が重要
駅からのアクセスが良い・高額給与といった条件の良い募集の場合は、勤務を希望する医師が多くなります。
そのため、希望の勤務に入れるかどうかは「いかに早く求人情報を入手し、どれだけ早く応募できるか」のスピードにかかってくる部分が大きくなります。
フリーランスで働く医師にとっては、勤務できない=その分の収入が入らないということになり、年収にも直結してしまいます。
自身の希望に合う、好条件の仕事を確保したい。
忙しくても、効率的に医師募集の情報をキャッチしたい。
そのようなときに強い味方となってくれるのが、医師専門のエージェントです。
非常勤案件を探すなら、専任コンサルタントがいる「Dr.アルなび」がオススメ
フリーランス医師のアルバイト探しは、スピード勝負です。
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◆調査概要
(※1)「医師の年収に関するアンケート」
調査日:2023年11月7日~11月14日
対象:Dr.転職なび・Dr.アルなびに登録する会員医師
調査方法:webアンケート
有効回答数:482
(※2)「アルバイト(非常勤勤務)のご経験・エピソードに関するアンケート」
調査日:2023年2月7日~2月14日
対象:Dr.転職なび・Dr.アルなびに登録する会員医師
調査方法:webアンケート
有効回答数:398