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7割以上が「65歳以降も働きたい」医師461名のセカンドキャリアのイメージと不安解消法

7割以上が「65歳以降も働きたい」医師461名のセカンドキャリアのイメージと不安解消法

昨今では少子高齢化による労働力不足等を背景として、従業員の定年をこれまでの60歳から65歳に変更する「定年延長」を導入する企業が増えています。

一方で、医師という職業には定年がありません。
そのため医師は、60歳や65歳といった節目のタイミングでキャリアプランを検討・選択する必要があります。

今回「Dr.アルなび」は、将来のキャリアやお金に関するアンケート調査を実施。

本記事では現役医師461名から寄せられた声をご紹介しながら、医師のセカンドキャリアにおける仕事・働き方のイメージ、将来の展望に関する不安とその対処法についてわかりやすく解説します。

医師として、何歳まで働ける?将来の展望

7割以上の医師が、65歳を過ぎても「働きたい」

将来何歳まで働きたいかという質問に対して最も多かったのは、「70歳以上」(24.5%)という回答です。

次いで「年齢に関わらず、生涯現役として働きたい」(23.6%)、「65歳~69歳」(22.6%)が続き、全体の7割を超える医師が「65歳以降も働きたい」と考えていることがわかります。

Q:将来、何歳まで医師として働きたいと思いますか?

Q:将来、何歳まで医師として働きたいと思いますか?

さらに年代別にみてみると、年代が上がるほど「65歳を超えても働きたい」と考える医師の割合が高くなる傾向がみられます。

年代別何歳まで働きたいか

とくに「年齢に関わらず、生涯現役として働きたい」の割合に注目してみると、20代では0%、定年後のキャリアが視野に入りはじめると推察される50代であっても31%にとどまっています。

一方で60代では4割弱、70代では半数を超えて53%の医師が生涯現役として働きたいと考えていることがわかります。

医師が「長く働きたい」と感じる理由

では、医師が「長く働きたい」と考える理由には、どのようなことがあるのでしょうか。

医師から寄せられたコメントを抜粋してご紹介します。

◆生活費や学費等の支払いや、老後に備えるための収入を得たい

生活費が足りないから、やむを得ない。(60代後半/一般外科/勤務医(民間病院))

子どもの学費やローンが残っているから。(60代前半/一般外科/勤務医(民間病院))

老後資金を貯めるため。(60代前半/消化器内科/勤務医(民間病院))

◆医師という職業にやりがいを感じている

やりがいであるし、生きがいでもあるから。(30代後半/呼吸器内科/勤務医(民間病院))

仕事よりもやりたいことが見つからないから。(50代前半/脳神経内科/勤務医(民間病院))

天職だと思うため。(70代以上/消化器内科/勤務医(非常勤のみ、フリーランス))

◆社会に貢献したい

働き続けることで社会に貢献しながら、自らの生きがいとして仕事を続けたい。(30代前半/産業医)

・自分の代わりがいない。地域の役に立ちたい。(60代前半/一般内科/勤務医(診療所・クリニック))

医師という職業には定年がない

昨今、65歳を定年として定めている企業が多くなっていますが、医療機関の場合も勤務医の定年を60歳や65歳としているケースが大半です。

一方で、医師免許は年齢によって失効することがないことから、医師という職業自体に定年はないということになります。

そのため勤務先で定年となった後も、お金に関する理由や自身のやりがい、社会貢献がしたいといった理由から、60歳や65歳を超えても働き続ける医師も多くいます。

65歳以降を迎えた医師の「セカンドキャリア」のイメージ

65歳以降を迎えた医師の「セカンドキャリア」のイメージ

65歳は多くの企業が定年と定めている年齢であり、一般的には厚生年金の受給が始まるタイミングでもあります。

続いて、医師が65歳になったときの働き方や仕事内容の展望を調査しました。

参照:日本年金機構「老齢年金ガイド令和6年度版

65歳以降の働き方のイメージ

65歳以降は「非常勤として働きたい」医師が約4割

65歳以降の働き方のイメージを尋ねた質問では、「非常勤として働きたい」(38.6%)が最も多く、柔軟な働き方を希望する医師が多いことがわかりました。

Q:厚生年金が受け取れる年齢になったときの働き方として、最もイメージに近いものを教えてください。

Q:厚生年金が受け取れる年齢になったときの働き方として、最もイメージに近いものを教えてください。

なかでも、正規の常勤医とは異なる労働契約で企業や医療機関、特別養護老人ホーム等で働く嘱託医は、定年後の勤務医の多くが選択する働き方です。

約3割の医師は、年金受給額が減らないよう就業時間を調整

次いで多かったのは、「年金額が減らないように、就業時間を調整しながら働きたい」(30.8%)と回答した医師です。

60歳を超えて年金と給与の両方を受け取る場合、その合計額が一定額を超えると、在職老齢年金の仕組みによって年金の一部が支給停止になります。

このような事情を踏まえて、全体の約3分の1に上る医師は、60歳以降および65歳以降は就業時間を調整して働きたいと考えているようです。

参照:日本年金機構「在職老齢年金の計算方法

65歳以降の業務内容のイメージ

およそ半数の医師は「体力・精神的な負担が少ない業務」を希望

65歳以降の仕事内容に関する質問では、「できる限り長く、第一線で働きたい」(18.8%)と回答した医師はおよそ2割にとどまり、7割以上が業務のサイズダウンを図りたいと考えていることがわかります。

Q:セカンドキャリアにおける業務内容として、イメージに最も近いものを教えてください。

なかでも「体力面・精神面での負担をできるだけ減らした業務を検討したい」(44.8%)と回答した医師は全体の約半数を占めており、業務負担の程度はセカンドキャリア検討時の重要な要素といえそうです。

医師がセカンドキャリアの検討時に重視すること

最重視するのは「勤務時間や日数」

セカンドキャリア検討時に重視したいことでは、「働き方(勤務時間や勤務日数など)」(回答数:226)が最も多く、次いで「業務内容」(回答数:164)、「年収」(回答数:157)が続く結果となりました。

Q: セカンドキャリアを検討する上で、重視したいことを教えてください。(いくつでも選択可)

セカンドキャリア検討時に重視したいことでは、「働き方(勤務時間や勤務日数など)」(回答数:226)が最も多く、次いで「業務内容」(回答数:164)、「年収」(回答数:157)が続く結果となりました。

Q: セカンドキャリアを検討する上で、重視したいことを教えてください。(いくつでも選択可)

※別の質問において、セカンドキャリアを「まだ考える必要性を感じない」と回答した医師を除く308名を対象として質問

▼働き方(勤務時間や勤務日数など)

・年代に見合った働き方へ、ペースを落とす。(40代後半/精神科/開業医)

半日働いて、半日は自由な時間にしたい。(40代前半/泌尿器科/勤務医(民間病院))

▼業務内容

現役医師の負担を減らす業務に従事する。(60代前半/一般内科/勤務医(民間病院))

開業医を継いで頑張りたい。(30代後半/呼吸器内科/勤務医(民間病院))

・フランス語をマスターして、医療ボランティアとして海外で働きたい。(50代後半/心臓血管外科/勤務医(民間病院))

▼雇用形態(常勤、嘱託、非常勤など)

定期アルバイトで、週2~3回働きたい。(70代以上/一般内科/勤務医(診療所・クリニック))

▼やりがい

自分の経験を活かし、それを認めてくれる施設を見つけたい。(60代前半/一般外科/勤務医(民間病院))

社会的に十分な意味のある仕事であってほしい。(60代後半/一般内科/勤務医(民間病院))

一方で、以下のように「将来に関する見通しがまだ立っていない」という声も複数あがっていました。

将来については、まだ五里霧中。(50代後半/消化器外科/勤務医(民間病院))

展望がなく、困っています。(50代後半/放射線科/勤務医(非常勤のみ、フリーランス))

セカンドキャリアに向けた医師の不安

セカンドキャリアに向けた医師の不安

続いて、医師が将来の展望について感じている不安やその要因について調べました。

74.6%の医師は、将来への不安がある

お金や働き方、プライベートといった将来について「漠然とした不安がある」(61.4%)、「明確な不安がある」(13.2%)と回答した医師は合わせて74.6%を占め、7割を超える医師が将来に関して不安を感じていることがわかります。

Q:お金や働き方、プライベートといった将来について、不安に感じることはありますか?

お金や働き方、プライベートといった将来について「漠然とした不安がある」(61.4%)、「明確な不安がある」(13.2%)と回答した医師は合わせて74.6%を占め、7割を超える医師が将来に関して不安を感じていることがわかります。

Q:お金や働き方、プライベートといった将来について、不安に感じることはありますか?

40.7%の医師が「将来の仕事・働き方」に不安を感じている

なお、とくに不安を感じていることを尋ねた質問では「お金」(43.3%)が最多でしたが、僅差で「仕事・働き方」(40.7%)が続いています。

この結果から、医師の将来に関する不安の主な要因は「お金」および「仕事・働き方」であると推察されます。

Q:不安を感じているのは、とくにどの項目ですか?最も当てはまるものを1つ教えてください。

Q:不安を感じているのは、とくにどの項目ですか?最も当てはまるものを1つ教えてください。

具体的に不安を感じている内容を尋ねたところ、以下のようなコメントが寄せられました。

▼現在の勤務先に関する不安

・現在雇われ院長だが、経営母体が資金難に陥っている。(20代/耳鼻いんこう科/勤務医(国立の大学病院))

「非常勤が継続できないのでは」と、毎年不安を感じている。(30代前半/消化器内科/勤務医(民間病院))

・今の病院をずっと続けていく予定はないが、辞め時がわからない。(50代前半/健診・ドック/勤務医(非常勤のみ、フリーランス))

▼スキルの低下に対する不安

・年齢にあったゆっくりした働き方を開始したが、急変対応等ができなくなりそうで不安があります。(50代後半/一般内科/勤務医(民間病院))

▼健康上・体力面の不安

ずっとこの仕事は続けられないと思う。(30代前半/泌尿器科/勤務医(民間病院))

いつまで現役で働くことができるか、心配である。(60代前半/消化器内科/勤務医(民間病院))

体調と勤務のバランスがいつまで保てるか。(50代後半/麻酔科/勤務医(診療所・クリニック))

▼定年後の再就職先等、仕事が見つかるか不安

・今でも勤務先がなかなか見つからないのに、高齢で仕事があるのか非常に心配。(50代後半/放射線科/勤務医(非常勤のみ、フリーランス))

・子育てを優先してきてキャリアを築けなかったので、戦力外通告を受けそう。(30代前半/精神科/勤務医(非常勤のみ、フリーランス))

医師という職業自体に定年がないからこそ、上記のコメントにあるように「いつまで現役を続けることができるのか」「年齢を重ねたときに、働く場所を見つけられるのか」といった不安を抱える医師は多いのではないでしょうか。

医師がセカンドキャリアへの不安を解決する方法

医師がセカンドキャリアへの不安を解決する方法

では、医師が将来の仕事や働き方に不安を感じるときには、どのように対処すれば良いのでしょうか。

8割以上の医師は、仕事や働き方の不安を「誰にも相談せず」

今回の調査では、将来の仕事や働き方への不安を、第三者に「相談した」と回答した医師は16.4%にとどまり、83.6%を占める医師は誰にも相談していないことがわかっています。

Q:(仕事・働き方について)ご自身が不安に感じていることを、どなたかに相談しましたか?

Q:(仕事・働き方について)ご自身が不安に感じていることを、どなたかに相談しましたか?

自身の思いを誰かに知ってもらうことが、不安解消への第一歩に

仕事や働き方について不安を抱えてしまったとき、自分一人で悩んでしまうのは良くないことです。

将来への不安は、「誰に相談すべきかわからない」「漠然とした不安で、相談したい内容がはっきりしていない」等の理由から、第三者に話すことをためらってしまうケースもあるかもしれません。

しかし誰かに自身の思いを打ち明け、共感してもらうだけでも、心理的なストレスは大きく軽減されるものです。

その上で、将来に向けて情報収集を行いながら準備を整えていくことが、不安解消への大きな一歩に繋がります。

エージェントからの客観的な情報提供も活用しよう

そのようなときには、医師のキャリアや働き方、求人市場にくわしいエージェントの存在が役立ちます。

エージェントのもとには、さまざまな年代・専門の医師に関するキャリア相談が日々寄せられています。

そのため、医師のセカンドキャリアに関する選択肢や求人市場の動向、検討時に注意すべきポイント、他の医師の成功事例・失敗事例等の情報が蓄積されています。

人は未来への道筋が見えないときに、不安を感じるものです。

将来への不安を払拭するためにも、まずは医師のセカンドキャリアに関する情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。

幅広い働き方の選択肢を知りたいなら「Dr.アルなび」がオススメ

私たち「Dr.アルなび」には、先生お一人おひとりを専任でサポートする非常勤案件担当のコンサルタントが在籍。

各エリアの医療機関との強いパイプを活かしながら、幅広い働き方の選択肢をご案内しています。

また姉妹サイト「Dr.転職なび」には常勤案件を担当するコンサルタントも在籍していますので、「できるだけ長く、第一線で活躍したい」「業務をサイズダウンしながら、常勤勤務を続けたい」とお考えの先生には、常勤案件のご紹介も可能です。

まずはいま感じているご不安・お悩みを、ぜひ私たちにお聞かせください。

先生からのお問い合わせを、心よりお待ちしております。

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◆調査概要「将来のキャリアやお金に関するアンケート」

調査日:2024年4月9日~4月16日

対象:Dr.転職なび・Dr.アルなびに登録する会員医師

調査方法:webアンケート

有効回答数:461

Dr.アルなび編集部

ライター

Dr.アルなび編集部

医師のアルバイト探し応援コンテンツを提供する「Dr.アルなび」編集部です。医師アルバイトの求職支援サービスを提供する株式会社エムステージが運営しています。

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