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【調査】67.4%の医師が「賛成」約4年ぶりに迎える”行動制限がない・ノーマスク”の夏

【調査】84.5%の医師がマスク着用を推奨する場所は?約4年ぶりの「行動制限がないノーマスクの夏」の迎え方

2023年5月8日、新型コロナウイルス感染症の法律上の分類が季節性インフルエンザと同じ「5類感染症」に引き下げられました。
この位置づけ変更によって、国はこれまでのように国民に行動制限を求めらることができなくなり、現在の感染対策は個人の判断に委ねられています。

マスクの着用ルールが緩和され、およそ4年ぶりに行動制限のない夏を目前にした今、医師たちは現在の感染対策についてどのように感じているのでしょうか。

会員医師432名の、リアルな声をご紹介します。

「行動制限がない、ノーマスクの夏」に対する医師の考えは?

67.4%が「行動制限がない、ノーマスクの夏」に賛成と回答

最初に、行動制限がない・マスク着用ルールの緩和がなされる今年の夏について、医師の意見を聞きました。

Q:今年は「行動制限がないノーマスクの夏」を迎えますが、ご自身の考えに最も近いものを教えてください。

Q:今年は3年ぶりに「行動制限がないノーマスクの夏」を迎えますが、ご自身の考えに最も近いものを教えてください。

上記のように、「大いに賛成である」と回答した医師が26.4%を占めました。
また41.0%の医師が「どちらかというと賛成」と回答し、およそ7割の医師が「賛成」としています。

◆大いに賛成である

・行動制限やマスク着用に、いわゆる「感染」の予防に効果があることを示した研究などあるのか、疑問であるため。(60代/精神科/勤務医(大学病院以外の病院))

・マスクに一定の感染予防効果があるのは事実だが、マスクをしたくない人や子どもに強制するほどの事ではないと考えるから。(40代/小児科/勤務医(診療所・クリニック))

集団免疫(※ある病原体に対して、人口の一定割合以上の人が免疫を持つと、感染患者が出ても、他の人に感染しにくくなること)を得るため。(50代/リハビリテーション科/勤務医(大学病院以外の病院))

・新型コロナウイルスの重症化率は、普通の風邪と同等であるため。(70代以上/一般内科/勤務医(健診施設や老健など))

・新型コロナの致死率はインフルエンザ並みになったので、行動制限は不要である。(30代/産業医)

・マスクは、勤務中の病院だけで充分です。(60代/麻酔科/勤務医(大学病院以外の病院))

(※)参照:厚生労働省「新型コロナワクチンについて

◆どちらかというと賛成である

重症化リスクがない人や、医療機関でない場所であれば、マスクの必要はないと思います。(40代/一般内科/勤務医(診療所・クリニック))

・現在コロナが流行している状況ではないので、熱中症対策のためにもマスクを外した方が良い。(50代/整形外科 /勤務医(診療所・クリニック))

・一人ひとりにコロナに対する意識が醸成されるには十分な時間が経過しており、以降は個人個人の判断に委ねても良いと思われるため。(40代/一般内科/勤務医(大学病院以外の病院))

マスクは必要と思うが、行動制限は必要ないと思う。(60代/消化器内科/勤務医(大学病院以外の病院))

・「ノーマスク」という言葉が先行してしまうことによって、それぞれの環境に合わせて着用する事を忘れないで欲しいと思う。(30代/産業医)

一方でおよそ2割の医師は、行動制限がないことやマスク着用ルールが緩和されることについて「反対」と回答しています(「どちらかというと反対」「大いに反対」の回答数を合算)。

具体的には、実際の勤務や診療における実感としてコロナ陽性の患者様が増えていること、コロナ以外の感染症を防ぐためにもマスク着用を継続すべきといった声が挙げられています。

◆どちらというと反対

・ゴールデンウイーク以後、外来では発熱患者のコロナ陽性率が急増しており、次の波が既に始まっている感覚を受けるため。(30代/リウマチ科/勤務医(非常勤のみ))

・医療機関ではいまだ、コロナ感染の治療をされている患者さんが多い。このようにならないように、引き続き注意していく必要があると思います。(50代/眼科/勤務医(大学病院))

・医療現場の混乱を招かないように、医療機関受診に関する厚生労働省からの指示は必要だと思います。(60代/健診・ドック/勤務医(健診施設や老健など))

・換気が不十分な 冷房のきいた室内では、クラスターが起こりやすいのではと思う。(40代/消化器内科/勤務医(健診施設や老健など))

コロナ以外のウイルスや細菌も、マスクで防げる可能性が高い。(60代/一般内科/勤務医(診療所・クリニック))

・ウイルスは、無くなっては居ない。感染機会はまだまだ多い。(60代/一般内科/開業医)

・状況に応じて、マスクは着用するのがよい。非着用を推奨はしなくて良いと思う。(30代/一般外科/勤務医(大学病院以外の病院))

◆大いに反対

コロナパンデミックは、終わっていない。(50代/一般内科/開業医)

・「5類=何してもいい」ではなく、感染対策を各自で行うことになった、というだけ。(40代/消化器外科/勤務医(大学病院以外の病院))

・感染リスクの有る場所では、自己防衛のためにマスクを。(60代/一般内科/勤務医(診療所・クリニック))

・自分が無症状感染者であって、知らず知らずのうちに他者へうつしているかもしれない可能性を考えて欲しい。(30代/眼科/勤務医(大学病院以外の病院))

◆どちらともいえない

変異株の動向も気になるため。(50代/整形外科/開業医)

・感染対策としては、マスク着用や手洗いなど衛生管理は有用。一方で、児童の教育の場では友達の表情が読み取りにくいなどの情動形成への影響や、屋外では熱中症リスクなど懸念するところもあるので、どちらとも言い難いところはあります。(40代/呼吸器内科/勤務医(健診施設や老健など))

感染状況に応じて、臨機応変に対処した方が良いと思います。(40代/糖尿病内科/勤務医(大学病院以外の病院))

84.5%の医師が「病院やクリニックでは、マスク着用を継続すべき」と回答

続いて、行動制限がない・マスク着用ルールが緩和される状況下であっても、マスクを外さない方が良いと思うシチュエーションについて尋ねました。

Q:「行動制限がないノーマスクの夏」であっても、マスクを外さないほうが良いと思う場所・状況はありますか?(複数回答可)

Q:「行動制限がないノーマスクの夏」であっても、マスクを外さないほうが良いと思う場所・状況はありますか?(複数回答可)

最も多かったのは、「病院、クリニックなどの医療機関」(回答数:365)です。

医療機関には不特定多数の様々な疾患をもった方が訪れる、また 重症化しやすいとされる高齢者などハイリスクの患者様がいる可能性を考えて、マスク着用の継続を推奨するという声が多く寄せられました。

・ハイリスクな方がいる場所については、他人にうつさない為のマスク着用は必須。(30代/形成外科/休職中)

・感染予防(うつさない、うつされないため)のマスクは、医療スタッフのためのエチケットだから。(50代/麻酔科/勤務医(大学病院以外の病院))

不特定多数、増悪リスクを持つ方がいる、不安感を持つ方がいる、三密になり易いなどの場はマスクをするべき。(60代/一般内科/開業医)

次いで「特養などの高齢者施設」(回答数:312)、「電車、バス、飛行機などの公共交通機関」(回答数:196)が多くなっています。

医師に聞く、「行動制限がない、ノーマスクの夏」に注意すべきことは?

医師に聞く、「行動制限がない、ノーマスクの夏」に注意すべきことは?

次に、人の移動が活発になることが予測される夏休み期間中の行動について注意すべきことについて聞きました。

88.0%の医師は、夏休みの旅行や帰省は「問題ない」と回答

Q:夏休みなどで旅行や帰省をする方もいるかと思いますが、ご自身の考えに最も近いものを教えてください。

Q:夏休みなどで旅行や帰省をする方もいるかと思いますが、ご自身の考えに最も近いものを教えてください。

最も多かったのは「適切な対策を実施すれば、問題ない」という回答で、全体の66.7%に上りました。

さらに「適切な対策」の具体的な内容を尋ねたところ、「マスク着用が効果的である場面での着用」(回答数:233)が最多でした。
僅差で「手洗い」(回答数:229)、「換気」(回答数:217)という回答も多くなっています。

Q:適切と考える対策について、具体的な内容を教えてください。

Q:適切と考える対策について、具体的な内容を教えてください。

なお「対策無しであっても問題ない」と回答した医師も全体の21.3%を占め、およそ9割の医師が「夏休み期間中などの旅行や帰省は問題ない」と回答したことになります。

◆対策無しであっても、問題ない

・最初の頃のような、重症例がみられなくなったから。(60代/一般内科/勤務医(大学病院以外の病院))

どの対策も、全く意味がないから。(50代/一般内科/勤務医(診療所・クリニック))

・インフルエンザ流行時でもマスク着用は推奨されていたが、コロナに対しては特に推奨しないという矛盾を国が是としている以上、医療者はそれに従うほかない。(30代/一般内科/勤務医(大学病院以外の病院))

◆どちらともいえない

帰省先に高齢者がいる場合はマスクをつけるなど、対策が必要
また、混みあった公共交通機関や飲食店などでも、油断しないほうがよい。(60代/一般内科/勤務医(診療所・クリニック))

70.6%の医師は、「新型コロナウイルス」と「夏風邪」の増加を懸念

続いて 約4年ぶりに行動制限がなくなるこの夏に、増加が懸念される疾患や症状について聞きました。

Q:「行動制限がないノーマスクの夏」に、患者数が増えると思う疾患・症状はありますか?(複数回答可)

Q:「行動制限がないノーマスクの夏」に、患者数が増えると思う疾患・症状はありますか?(複数回答可)

上記のように、「新型コロナウイルス」と「ヘルパンギーナ、手足口病、プール熱など(夏風邪)」(回答数:305)が同数で最も多くなりました。

その理由としては、長く続いた自粛生活による影響や不特定多数の人と接触するシチュエーションが増えること、マスク着用ルールの緩和等が挙げられています。

◆自粛生活で体力や抵抗力が低下しているため

・約3年間の色々な制限があった環境下で、体力や感染症に対する抵抗力が落ちてしまっていることが影響すると思います。(60代/健診・ドック/勤務医(健診施設や老健など))

◆他者との接触機会が増えるため

・人が動く結果です。(60代/消化器外科/勤務医(大学病院))

レジャー活動が活発になると思うから。(30代/美容皮膚科/勤務医(診療所・クリニック))

◆マスクの着用ルールが緩和されるため

マスク着用による、ウイルス感染予防効果が失われるため。(60代/一般内科/勤務医(大学病院以外の病院))

・マスク着用が他の感染症を減少させることは、過去3年間の経験上明らか。(50代/一般内科/開業医)

今年の夏の感染対策について、医師が思うことは?

最後に、行動制限がない・マスク着用ルールが緩和される今年の夏を過ごす上で注意したいことについて聞きました。

◆特別な対策は不要

・コロナに感染しないために生きているわけではないので、特別な対策は不要で楽しく過ごせばいいと思う。(40代/小児科/勤務医(診療所・クリニック))

◆自身の判断に任せる

・マスク禁止ではないので、必要と思う人がマスクをして自衛すればよい。(40代/泌尿器科/勤務医(大学病院以外の病院))

◆感染対策を継続すべき

・楽観は禁物で、自身の感染予防は続けるべき。これまでの感染対策の基本に、誇りを持ちましょう。(60代/精神科/勤務医(大学病院以外の病院))

最低限の感染予防はして欲しいです。(40代/産婦人科/勤務医(大学病院以外の病院))

医療従事者は、あくまでもゼロコロナを基本に感染対策を続けるべき。(50代/一般内科/開業医)

・弱毒化したとはいえ、特に高齢者など注意したほうがよい方は感染対策を続ける必要があると考えます。
ただし外出しないことによるフレイルなどの問題はあるため、感染対策を意識しながら、徐々にもとの生活に戻すのが現実的ではないでしょうか。(40代/一般内科/勤務医(非常勤のみ))

◆より一層、慎重に行動すべき

ノーマスク派の増加にともない、いままでよりも感染リスクは高くなると考えられる。この夏の人混みへの移動は、よりいっそう慎重になるべきです。(30代/眼科/勤務医(大学病院以外の病院))

・検査・診察・治療費が公費負担ではなくなること、また5類になったからと言って、病毒性に変化があるわけではない。
むしろ、自分の身は自分で守らなければならなくなったという事の周知が必要だと思う。(30代/美容皮膚科/勤務医(診療所・クリニック))

以上、マスクの着用ルールが緩和され行動制限のない夏について 医師がどのように感じているのか、432名のアンケート結果をご紹介しました。

今回の調査では様々な意見が寄せられましたが、全体的には「まだ無制限に感染対策を解除する段階ではない」といった声が多い印象でした。

医師のアルバイト情報サイト「Dr.アルなび」でも、引き続き新型コロナウイルス関連のアルバイト求人を掲載しています。(※下記の文字をクリックすると、求人一覧に移動します。)

・(人が制限なく過ごしている)風景が、自然に見えるようになることを願っている。(50代/脳神経内科/勤務医(診療所・クリニック))

上記の医師のコメントのように、新型コロナウイルス感染症が終息し、マスクや行動制限なしの夏をすべての人が満喫できる日が早く訪れてくれることを祈るばかりです。

(※)調査概要「行動制限がない、ノーマスクの夏に関するアンケート」

調査日:2023年5月9日~5月16日

対象:Dr.転職なび・Dr.アルなびに登録する会員医師

調査方法:webアンケート

有効回答数:432

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Dr.アルなび編集部

ライター

Dr.アルなび編集部

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