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【最新】医療機関の「宿日直許可」取得状況を調査!取得した病院の確認方法や注意点は?

【2023年3月】医療機関の「宿日直許可」取得状況を調査!取得した病院の確認方法や注意点も解説

2024年4月から、医師の時間外労働時間の上限規制が始まります。
残すところ約1年となった今、各医療機関では医師の労働時間把握や時間外労働が上限時間を超える場合には対策を講じる等の対応が急ピッチで進められています。

このような状況下で医師から注目を集めているのが、医療機関の「宿日直許可」の取得状況です。

2023年3月現在、どのくらいの医療機関が宿日直許可を取得しているのでしょうか。
また 医師が各医療機関の宿日直許可有無を確認するためには、どのような方法があるのでしょうか。

医師のアルバイト情報サイト「Dr.アルなび」を運営する株式会社エムステージでは、2023年3月に全国の医療機関へアンケートを実施。
全国229院から得た回答をもとに、宿日直許可の取得状況許可を取得した病院の探し方をご紹介します。

▼【2023年8月】最新の宿日直許可取得状況の調査結果はこちら

【2023年3月】医療機関における宿日直許可の取得状況

宿日直許可は、医師のアルバイト探しで重要なチェックポイントになる

「医師の働き方改革」では、勤務医の時間外労働の時間は原則的に「年間960時間」までに規制されます。

この規制における大きなポイントは、非常勤先における勤務についても医師の労働時間として算入される点です。
医師は2024年4月以降、常勤先・非常勤先での労働時間を通算して時間外労働・休日労働が「年間960時間」を超えないような調整が求められます。

このような医師の労働時間調整で切り札となるのが、医療機関における「宿日直許可」です。

宿日直許可とは、「常態としてほとんど勤務する必要がない」「夜間に十分な睡眠を取り得る」といった労働基準法で定められた各基準を満たす場合に労働基準監督署から与えられるものです。

この宿日直許可を受けた勤務については、医師の労働時間として算入されません

▶宿日直許可の詳しいルールはこちら

つまり、宿日直許可を得た勤務であれば 2024年4月以降も「年間960時間」という時間外労働の上限時間を気にすることなく、勤務医はアルバイトすることができるのです。

実際に「Dr.アルなび」でも、医療機関の宿日直許可状況に関する医師からの問い合わせが増加しています。

宿日直許可の取得を希望する医療機関は、全体の50.5%

上述のように 宿日直許可を得た勤務は労働時間に算入されないことから、2024年4月以降にアルバイトを希望する勤務医は「宿日直許可の有無」を基準として非常勤先を探すケースが大半となるでしょう。

一方の宿日直許可のない医療機関においては、外部からの非常勤医師の採用が難しくなる、大学病院等から派遣される当直医師が引き揚げとなってしまうといったことが懸念されています。

2023年3月時点での、医療機関の宿日直許可取得状況は以下の通りです。

2023年3月時点での、医療機関の宿日直許可取得状況

グラフからも分かるように「既に取得した/取得する見込み」(32.2%)が最多で、全体の3割以上を占めています。
次いで多くなったのは、「許可を受ける予定はない」(25.7%)、「許可を受けるかどうか検討中」(19.1%)でした。

全体的にみてみると、宿日直許可の取得を希望する医療機関は50.5%で半数を超えています(「既に取得した/取得する見込み」と「取得を希望し、現在申請中」の回答を合算)。

宿日直許可の取得について、各医療機関の方針が固まりつつある

なお2022年2月の調査結果との比較では、宿日直許可に関する方針を固めた医療機関が増えたという印象があります。

具体的には、「許可を受ける予定はない」とした医療機関の割合が大幅に増えていることが挙げられます。
約1年前の2022年2月は15%(※1)でしたが、今回の調査では25.7%と10%以上高くなっています。

院内で検討した結果「申請をしない」と決めた医療機関や、申請をしたものの許可が得られなかったという医療機関がこの約1年で増えたということなのかもしれません。

(※1)「許可を受ける予定だったが、許可が得られなかった」「許可を申請する予定はない」の回答を合算。

一方の「許可を受けるかどうか検討中」とした医療機関の割合は低下しており、2022年2月は28%(※2)でしたが、本調査では19.1%でした。

(※2)「許可を受けることを検討しているが、まだ申請・相談はしていない」「まだわからない」の回答を合算。

前回の調査時は「まだ自院の方針を決めかねている」という医療機関が全体の3割程度を占めていましたが、「医師の働き方改革」施行開始を約1年後に控える中で自院の方針を決定した医療機関が増加。
今回の調査においては、2割を切るという結果となっています。

宿日直許可を「取得する病院」と「取得しない病院」の区別が、徐々に色濃くなってきていることが伺われます。

どのような医療機関が「宿日直許可」を取得しているのか?

どのような医療機関が「宿日直許可」を取得しているのか?

医師が2024年4月以降もアルバイトを希望する場合、時間外労働の上限規制に触れないような勤務=「宿日直許可」のある募集を探す必要があります。
現時点では、この宿日直許可の取得に向けて動いているのはどのような医療機関が多いのでしょうか。

急性期病院やケアミックス病院も、積極的に宿日直許可を申請・取得

宿日直の許可基準で定められている宿日直中に認められる業務は、常態としてほとんど労働をする必要がない、いわゆる「寝当直」としてイメージされるものです。

このことから、「宿日直許可は、慢性期病院しか取得できないのでは?」「二次救急病院は、宿日直許可を取得することは難しいのでは…」というイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし今回実施した医療機関へのアンケートでは、宿日直許可を申請・得ているのは慢性期病院だけではないことが明らかになっています。

以下のグラフは、「既に取得した/取得する見込み」または「取得を希望し、現在申請中」と回答した医療機関を機能別に見たものです。

「既に取得した/取得する見込み」または「取得を希望し、現在申請中」と回答した医療機関

上記のグラフが示している通り、「ケアミックス病院」(38.3%)が最も高い割合を占めています。

次いで「急性期病院」(22.6%)、「慢性期病院」(20.9%)の割合が高く、急性期病院とケアミックス病院の割合を合算すると全体の60.9%となっています。

急性期やケアミックス病院が「宿日直許可」を取得する背景は?

このように急性期病院やケアミックス病院が積極的に宿日直許可の取得に乗り出す背景としては、これらの病院で現状の医療提供体制を維持するためには非常勤医師のサポートが必要不可欠であることが考えられます。

急性期病院やケアミックス病院では、常勤医師の負担を軽減しながら夜間救急体制などの医療提供体制を整備するため、外部からの非常勤医師を採用していたり、近隣の大学病院から当直医師の派遣を受けていたりするケースが多くあります。

宿日直許可を得られない場合、これらの非常勤医師に勤務を続けてもらうことが難しくなり、救急外来など現在提供している医療が継続できなくなってしまう可能性があるのです。

このような背景から、宿日直許可を得るために注力する急性期病院・ケアミックス病院も多いようです。

医師が「宿日直許可のあるアルバイト募集」を探す方法と注意点は?

医師が「宿日直許可のあるアルバイト募集」を探す方法と注意点は?

最後に、医師が宿日直許可のある勤務を探す方法と 求人を探す際に気を付けたいポイントをご紹介します。

一般に公開された情報から「宿日直許可の有無」を予測するのは難しい

上記のように急性期やケアミックス病院であっても、宿日直許可を取得している病院は多くあります。

また医師が不足している地域においては、本来は原則として宿直週1回、日直月1回以内に収める必要があるところを週2回の宿直でも許可が得られる等、地域の実情に合わせた柔軟な判断があるケースも出てきているようです。

このように一般に公開されている情報のみでは、その医療機関の「宿日直許可の取得状況」を判断することは難しいのが現状です。

宿日直許可に関する情報は、「非公開情報」に強いエージェントから入手しよう

このようなときに強い味方となるのが、医療機関と普段から頻繁にコミュニケーションを取っているエージェントの存在です。

エージェントは求人の整備・更新や勤務希望の医師のご紹介のために頻回に医療機関の採用担当者とコンタクトを取り、信頼関係を築いています。

エージェントは医療機関への確認も代行してくれるので、「この募集は、宿日直許可を得ている勤務かな?」と気になる場合は気軽に問い合わせをしてみると良いでしょう。

なお「Dr.アルなび」では、医療機関対応を専任で担当するスタッフを全国の拠点に配置。
宿日直許可の取得状況についても、積極的な情報収集を行っています。

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求人を探す際は、条件限定の「宿日直許可」に注意しよう

なお宿日直許可は 病院全体としてだけでなく、診療科や職種(医師、看護師等)、時間帯、業務の種類(救急、病棟管理等)などの条件で限定した形で申請をすることも可能です。

非常勤医師の勤務に支えられている急性期病院やケアミックス病院では、上記のように何らかの条件に限定した申請を行うことで宿日直許可を得ているケースも多いようです。

▼条件を限定して申請した医療機関のコメント

外科系の、既存入院に対する当直のみ。(400床以上/急性期病院)

救急外来(夜間)、産科の分娩対応。(200床以上300床未満/急性期病院)

救急輪番日の17:30~24:00以外。(100床未満/ケアミックス病院)

・宿日直を行なう医師は法人役員のため、その他の主として大学からの派遣医師について申請を行い、許可を得た。
業務の態様としては、休日当番を除く日祭日の外来患者の診療、病棟看護師からの要請に対する指示・診察である。(100床未満/ケアミックス病院)

上記のように、さまざまな条件を限定して宿日直許可を得ている医療機関もあるため、同じ医療機関の募集であっても、時間帯や科目によって「宿日直許可が得られた勤務の募集」と「宿日直許可がない勤務の募集」が存在するケースも考えられます。

求人を検討する際は、募集対象が「宿日直許可を得られた勤務」かどうか、しっかりと確認しておくと安心です。

医師の働き方改革に向けて、「医師のアルバイト」も大きく変わっていく

024年4月から適用される「医師の時間外労働の上限規制」に向けて、各医療機関では医師の労働時間管理に対する意識が高まりつつあります。

今回の医療機関へのアンケートでも、宿日直許可の取得に向けて医師の当直体制を見直したという声が寄せられています。

・今年4月以降の宿日直体制を見直して、月2回の日直医師には月1回へ変更していただいた。(100床未満/急性期病院)

今後「医師の働き方改革」に向けて、先生がご勤務されている常勤先や非常勤先でも、勤務回数の変更などを余儀なくされてしまうかもしれません。

2024年4月以降もアルバイトをしたいとお考えの先生、今後のアルバイトについて不安を感じている・心配な点がある先生は、「Dr.アルなび」までご相談ください。

各医療機関の状況や事例のご紹介など、今後のアルバイト探しで役立てていただける情報をご案内させていただきます。

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◆調査概要
「医師の働き方改革」に向けた取り組み状況に関するアンケート
調査日:2023年2月22日~3月10日
対象: 全国の病院・診療所・老健など
調査方法:webアンケート
有効回答数:229

Dr.アルなび編集部

ライター

Dr.アルなび編集部

医師のアルバイト探し応援コンテンツを提供する「Dr.アルなび」編集部です。医師アルバイトの求職支援サービスを提供する株式会社エムステージが運営しています。

アルバイト情報をお探しの医師の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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