![【解説】「常勤」とどう違う?週32時間以下の勤務は「非常勤」?非常勤医師の定義とメリット・デメリット](https://arbeit.doctor-navi.jp/blog/wp-content/uploads/2023/04/転なびtop-9.png)
常勤医師は正職員として働き、安定した収入や社会保険の加入が可能ですが、非常勤医師は希望する曜日や時間で働ける自由度が高い反面、収入が不安定で社会保険に加入できない場合があります。また、週32時間以上の勤務は、常勤医師としてカウントされる基準ですが、これは医療機関ごとの立入検査における指標であり、常勤・非常勤の判断基準とは異なります。
本記事では医師からお問い合わせいただくことが多い常勤と非常勤の違いや「常勤の週32時間ルール」、そして非常勤で働くメリットとデメリットについて分かりやすく解説します。
常勤医師と非常勤医師の違いは?
「常勤」「非常勤」とは、どのような働き方?
常勤とは、勤務先の医療機関の正職員となる働き方をいいます。
一方の非常勤とは、その医療機関の正職員とならず、契約した曜日や時間など限定した勤務をする働き方を指します。
医師の場合も、常勤医師として特定の医療機関の正職員として在籍しながら、他の医療機関で非常勤医師としてアルバイトをしている医師が多くいます。
また昨今では、常勤先を持たず、複数の医療機関での非常勤勤務を組み合わせて、非常勤勤務のみで生計を立てるフリーランスとして活躍している医師も珍しくありません。
「常勤」「非常勤」の定義は、医療機関ごとに決められている
では常勤と非常勤という2つの働き方を定義するために、何か指標はあるのでしょうか?
よくあるのは、
・1日8時間で週5日勤務する
・1週間で32時間以上勤務する
といった条件を満たす場合が「常勤」というものですが、これらはいずれも誤った認識です。
どのような働き方の医師を常勤医師として扱うのかという基準は、実は各医療機関が定めています。
労働基準法や労働契約法にも、どのような条件を満たす場合に常勤とするという規定はなく、基準の設定は各医療機関に委ねられており、就業規則等で定められています。
「常勤医師の32時間ルール」とは?
ところで医師の求人票のなかで、「32時間以上の勤務から相談可能」といった記載を目にした経験がある方も多いのではないでしょうか。
この「32時間」という文言は、2014年に厚生労働省が出した「医療法第25条第1項の規定に基づく立入検査要綱」という通達をもとにした方針である、いわゆる「常勤医師の32時間ルール」に由来しています。
通達内では、都道府県が実施する医療機関への立ち入り検査の際、 各病院で配置すべき医師の人数をカウントするために使う基準として「週32時間以上勤務している医師を、常勤医師とみなす」といった旨の記載があります。
3.常勤医師の定義と長期休暇者等の取扱い
厚生労働省医政局「医療法第25条第1項の規定に基づく立入検査要綱」
(1) 常勤医師とは、原則として病院で定めた医師の勤務時間の全てを勤務する者をいう。
ア 病院で定めた医師の勤務時間は、就業規則などで確認すること。
イ 通常の休暇、出張、外勤などがあっても、全てを勤務する医師に該当するのは当然である。
(2) 病院で定めた医師の1週間の勤務時間が、32時間未満の場合は、32時間以上勤務している医師を常勤医師とし、その他は非常勤医師として常勤換算する。
このように「週32時間」という基準は、あくまで都道府県による医療機関への立ち入り検査の際に用いられているものであり、常勤・非常勤の判断基準とは無関係ということになります。
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医師が非常勤(フリーランス)で働くメリット・デメリットは?
![非常勤で働くメリット・デメリットは?](https://arbeit.doctor-navi.jp/blog/wp-content/uploads/2023/04/挿入画像-4.jpg)
常勤と非常勤という働き方には、それぞれメリットとデメリットがあります。
後悔のない検討・選択をするために、非常勤のメリット・デメリットをしっかりと確認していきましょう。
メリットは、自由度の高い働き方が叶うこと
非常勤は、自分が希望した時間だけ勤務することができる「自由度の高い働き方」です。
また基本的に残業がなく、予定の見通しが立てやすいことも魅力の1つといえるでしょう。
そのため育児や介護などの家庭の事情に合わせて働きたい医師、ワークライフバランスを大切にして働きたい医師の多くは、非常勤勤務をうまく活用して活躍しています。
また非常勤の場合は、常勤よりも勤務頻度が低く、職場の人たちと関わる機会が少なくなります。
よってトラブルに発展する可能性も低くなる分、人間関係のストレスを感じにくいともいえるでしょう。
「月1回」から「週数回」まで、幅広い働き方があります!
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デメリットは、収入の不安定さ・社会保険に加入できない場合があること
非常勤という働き方には、デメリットもあります。
1つ目は、常勤よりも収入が不安定であることです。
非常勤の給与は一般的には日給や時給で支給されるため、勤務時間や回数が収入に直結します。
特にスポット勤務は希望する医師も多いため、思うように勤務に入れないことも少なくないはず。
ボーナスの支給や昇給が実施されるケースも稀であり、安定した生活を送るためには、自身で収支と勤務予定の管理をしっかりと行う必要があるでしょう。
2つ目は、社会保険に加入できない場合がある点です。
健康保険や厚生年金などの社会保険は、常勤であれば加入できますが、非常勤で働く場合には、勤務日数や時間によって加入できないケースがあります。
非常勤として働く医師の場合は、「1週間の労働時間と1カ月の労働日数が常勤の3/4以上」であれば、健康保険と厚生年金に加入することが可能となります。
もしも社会保険に加入していない、かつ配偶者の扶養にも入っていない場合には、自費で国民健康保険に加入しなければなりませんので、注意しましょう。
社保の加入を希望するなら
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以上、非常勤という働き方の概要やメリット・デメリットについてお伝えしました。
常勤として働くか、非常勤として働くか。
お悩みのある先生は、ぜひ私たちにご相談ください。
Dr.アルなびのコンサルタントは、全員「医療経営士」の資格を取得し、経営的な視点からのリサーチやアドバイスも得意としています。
また、労働法規に詳しい社員もいますので「この場合は、社保に入れるのかな…」など、働き方について何か迷うことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
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